現代の手づくり弁当・その多様性と背景 -弁当の日・弁当男子・キャラ弁を視野に-

北海道文教大学 研究紀要 第35号 -2011年3月-

荒井 三津子・杉村 留美子・片村 早花

抄録: 食の外部化が進む中、近年手づくり弁当が注目されている。「キャラ弁」と呼ばれるアート性の高い弁当や、弁当作りを楽しむ「弁当男子」の登場、子ども自らが作った弁当を持参する「弁当の日」の普及は、従来の、空腹を満たし栄養補給のための携帯食とは目的も機能も異なる現象である。
 弁当関連の書籍やインターネット上の情報、弁当箱の種類、弁当専用の食材も増えた。
 かつて「腰弁」と揶揄された手作り弁当は、自己表現の手段、趣味、娯楽的要素を持ち、さらに教育的効果も期待される存在になった。一昼食用の携帯食が、これほど多岐に渡る機能を有するに至った現象は「新弁当文化の時代」の到来と見ることができよう。
 本研究は、現代の手づくり弁当に関する情報を整理し、そのブームの背景や今後の課題について様々な角度から考察する。

続きは現代の手づくり弁当・その多様性と背景へ。